前回の続き・・・
前回のメルマガで、心のアクセルとブレーキについてお伝えしました。
人はアクセルさえ踏めば思い通りの人生を手に入れられると
思いがちですが、実はそうではありません。
どんなに頑張っても苦しくなったり、
充実感を得られないこともよくあります。
これは、アクセルに問題があるのではなく、
心のブレーキを踏んでいるからです。
私たちはアクセルのことばかり考えがちですが、
その前に、心のブレーキを外すことが大事です。
「あなたは何をしたいですか」という質問ではなく、
まずは「あなたの人生をよりよく生きることを妨げているものは何ですか」
という視点からアプローチすることも大切なのです。
といっても、ほとんどの方が
こうした質問をされたことがないと思います。
少し分かりにくいかもしれませんので、
例をあげて説明します。
ある経営者の方は、楽しむことが苦手でした。
楽しむために旅行に行ったり、食事に行ったり、ゴルフをしたり・・・
色々なことに取り組んでいました。
「赤野さん、色々試してみたのですが、
なぜか心から楽しめないのです。
もともと好奇心が薄いのでしょうか?」
「楽しむことを妨げているものはありますか?」と尋ねると、
しばらくの間、沈黙がありました。
「はじめての質問で戸惑っていますが、あると思います。」
そして一緒に妨げているものを探していきました。
すると、まず期待がかなえられないと納得できないことが
あがってきました。
例えばお寿司を食べに行っても、
自分が楽しみにしているネタがないと
それだけで楽しくなくなり、不機嫌になるそうです。
期待にこだわりすぎる自分が楽しさを妨げていたのです。
また、旅行も好きなのですが、よく奥さんと喧嘩するそうです。
例えば、朝出発するときに
自分はきちんと時間通りに準備を終えているのに
奥さんが準備に手間取っていると、
腹がたってきて注意してしまうそうです。
それで喧嘩になり、
その日の昼ぐらいまで口をきかないこともよくあるそうです。
その旅行は数か月前から夫婦で楽しみにしてきたのに
せっかくの機会がちょっとしたことで
台無しになってしまうのです。
これは自分の思い通りにならないと気が済まない
もしくは時間の正確さにこだわりすぎる自分が
楽しさを妨げていたことが分かってきました。
また、海外などに行くと
お腹を壊さないか、天気は大丈夫かなど
心配し過ぎて、せっかくの楽しさを妨げる自分もいました。
この方の場合、
実は好奇心も旺盛で楽しいことが大好きなのですが、
自分で自分の楽しさを半減させていたのです。
ブレーキに気づいたことで、この方の行動が変わりました。
楽しむために妨げているものを減らすことに取り組み始めたのです。
- 期待しすぎないこと
- 期待通りにいかなくても、そのことに執着せず、気持ちを切り替えること
- 時間が気になるので、ゆとりをもったスケジュールにすること
- 心配な気持ちが出てきたときに、いつもどうにかなっていることを信じて「大丈夫。どうにかなるから」と状況に身を任せてみる
- 「人は人、自分は自分」と考えて、気を使いすぎない
これらに気をつけることで、随分楽しさが増したそうです。
また、これは会社を経営する上でも同じだったことが分かりました。
この方は経営も楽しめていなかったのですが、
- 部下に対して期待しすぎるのではなくて、応援してみる
- 心配し過ぎるのではなく、まずやってみる
- うまくいかないことには執着しすぎない
などを心掛けることで、仕事への気持ちが大きく変化してきたそうです。
ブレーキが外れてきたことで
この方が本来持っている好奇心や素直さが経営に出てきたのです。
従業員を巻き込みながら
新たな挑戦にどんどん取り組まれています。
この経営者に限らず、
「夢や目標などしたいことが見つからない」
「なかなか一歩が出ない」
という方は、
アクセルを踏むのではなく
まずはブレーキを外すことから始めてみることをお勧めします。
するとあるとき、
本当にやりたいことに気づく瞬間がくるのです。
みなさんは「心のブレーキ」を踏んでいませんか?