メンタルトレーニングをやっていると、結果が出ない日の方が圧倒的に多いです。

そして、選手によって、反応はさまざまです。

何も話さなくなる
周りに当たる
言い訳をはじめる
落ち込む
はしゃぐ
前向きになろうとする

こういう時になんと声をかけるか。正解がないだけに、いつも悩みます。

私の中には、2人の自分がいます。プロとしての自分、そして人としての自分です。

プロコーチとしては、選手が落ち込んでいるいるときは、前を向けるように、アドバイスしたり、励ましたりするのが一般的かもしれません。もちろん、私自身もそう関わるときもあります。

しかし、人としてはどうなのか?

自分自身も動揺している中で、選手を励ますことができるのか。選手の気持ちに寄り添えるのか。常に、自分に問いかけます。

せつない嘘をつくこともあります。

選手は、そんな嘘を見抜きますし、嘘でも励ましてくれることを望んでいる場合もあります。

でも、私のあり方としては、極力正直でありたい。でも、まずは、私自身の心を大事にすること。私が傷ついていては、選手へのどんな言葉も嘘になります。

静かに瞑想していると、少しずつ心が透き通ってくるのを感じます。そして、深い部分では、選手を信じる気持ちがまったく揺らいでいないことに気づきます。

その土台に築ければ、自然な言葉が浮かんできます。ポジティブもネガティブもありません。前向きでも後ろ向きも関係ありません。

選手の深い部分に届くかどうか。そのために、私の深い層から言葉を贈ることができるか。

何を伝えるのかではなく、どこから伝えるか。

先日は、ちょっとしたことから言い争いになりました。しかし、作られた枠をぶち壊すためには、ときに喧嘩することも必要ですね。喧嘩という嵐が、表面的にとり繕った何かを吹き飛ばしてくれます。

腹をくくるといいますが、まさに腹からださないと、本当の言葉にたどりつけません。そういう意味では、いつも試されています。

そして、最終的には「結果」です。どんなにいいプロセスでも、結果が出なければ、自己満足に終わってしまう。

でも、結果があるからお互い本気になれる。負荷をかけるからこそ、いい緊張感が生まれます。

メンタルトレーニングのコラムを連載中のゴルフダイジェスト第25号、今週のテーマは「結果が出ない日にやること」です。

読んでいただければ幸いです。