皆さんは、ボールをどのように見ていますか?
この質問をゴルファーや野球選手、テニスプレーヤーにすると、「???」という感じになります。
私たちは見ることが当たり前になりすぎていて、どのように見ているかを意識したことはないかもしれません。メンタルトレーニングでは、どのように見ているかをプレー中に再確認していきます。
実際には、いろいろな見方があります。一例を紹介すると・・・
・しっかりと見る
・ぼんやりと見る
・一点を集中して見る
・広く見る
・力を入れて見る
・力を抜いて見る
・近くを見る
・遠くを見る
・対象を能動的に見る
・対象が受動的に目に入ってくる
・きつく見る
・柔らかく見る
そして、実際に見るとは少し離れますが、「心の目で見る」というのもあると思います。
また、ゴルフでよくあるのが、見ているようで見ていない状態ということもあります。これは、目はボールに向いていても、心はすでに結果に行っているケース。意識は別のところにあって、実際には見えていないという状態です。これでは、打ち急ぎやヘッドアップが発生しやすくなります。
また、見すぎるというのもあります。人間は何かにこだわったり、不安や恐れを感じると、無意識に目の力が入ります。凝視しすぎると、身体の余分な力みが生まれます。
いずれにしても、心の状態は目に出るのです。心がざわついていると、目の動きもざわつきます。逆に心が鎮まってくると、目の動きも静かになってきます。
メンタルトレーニングにおいてまずやってほしいのは、自分の目の状態がどうなっているか知ること。好きなシチュエーションではどうなっているか。苦手なシチュエーションではどうなっているか、恐らく目の状態は違うはずです。
そして、いろいろな目の使い方にトライしてみましょう。最近のお気に入りは、柔らかく見るです。
先日、禅の師匠による勉強会で、「眼差しという言葉は、「差す」というのが少しきつい感じがする。もっと、柔らかい目の使い方を表現するいい言葉がないかものか」と話されていました。
あるボディーワークの専門家の方が「眼包み(まなづつみ)」はいかがですかという案なども出ていました。包み込むような眼のあり方だそうですが、私もいいなと思います。
ということで、今回のメンタルトレーニングのコラムでは、眼の使い方について、お伝えしています。目をいかに使うかの前に、まずは目を閉じることからスタートしましょうという内容です。目を閉じて開けるという動作からスタートすることで、目のあり方をあらためて考えるきっかけになれば幸いです。
週刊ゴルフダイジェスト第30号、メンタルトレーニングのコラム「禅の境地へ」第121回のテーマは「電車坐禅のススメ」です。