今、オリンピック出場を目指す陸上選手のメンタルトレーニングをさせていただいています。今回は陸上競技場で、実際に動きを見ながらの指導でした。

一つ気づいたのは、目の動き。走ったり、飛んでいるときに、目の動きと身体の動きがずれているように感じました。

そのことを伝えると、かなり近くをみているとのこと。

近い遠いどちらが良い悪いということではないが、目の使い方で大きくフォームが変わってくる。

変えようとするのではなく、自然に変わってくるというのが大事。

すべての競技に言えるのは、前への意識がつい強くなるということ。速く走りたい、遠くに飛びたい、そう思うほど、前へ前へとなっていく。その結果、目も身体も前半身へ偏っていく。

よく左半身、右半身ということはいうが、身体には前半身、後ろ半身がある。後ろ半身の存在を忘れていると、身体は紙のように薄くなる。薄くなるほど頑張らなければ動かなくなる。そこに余分な力みが発生する。

目も前で見るのではなく、後頭部で見る。背中で呼吸する。

さすがトップ選手。反応が早く、後ろ半身を感じられてくると、すぐに身体が変わって面白い。

頭から背骨に空気が通ったら、自然に首が立ってきた。首がたつと、頭と身体が上手く連動する。

野球でもゴルフでも何か特定の箇所が気になることがありますが、その特定の箇所をどれだけ直そうとしても直らない。むしろ、その箇所をいじるほど、余計にひどくなったります。すべては連動していることを忘れてはいけません。

ちなみに、この日は、左肺に空気が入っていないことが判明。両側の肺に空気が通ることで、課題だった走るときに起こる「左肩の力み」も少しずつ抜けてきました。

いっしょにトレーニングしてくださった身体の専門家も「フォームも変わったけれど、佇まいも落ち着き堂々として、スタートラインに立つ前から全然違う。」と話されていました。

後ろ半身と前半身の連動は、上半身と下半身の縦の動きへとつながっていく。
それが全身の滑らかな動きになっていくということでしょうか。