2019年のゴルフツアーもいよいよ終盤戦。

上位の選手は賞金王を狙う戦い、また下位の選手は、少しでもランキングを上にあげて来季のシード権を獲得しようと熾烈な争いが繰り広げられています。

私がメンタルトレーニングをさせていただいている選手も、これから一ヶ月が正念場。

昨日はトーナメントに帯同してきました。この試合は、一年間やってきたことを試す場です。

何がどこまで身についているのか。

選手のプレーを生の試合で見ているといつもドキドキします。

1つ1つのプレーを見る目にも力が入ります。

結果に一喜一憂するのは、選手もコーチも一緒です。

ただ、私の役割は、選手の姿から何かを発見すること。

そのために、いかに選手を透明な目で見られるか。

透明な目とは、まっさらな心で見る目ともいえます。

結果からプレーを切り離した目であり、
余談をもたず固定概念を外した目であり、
部分ではなく全体を見る目です。

透明な目を持ててくると、心や身体の動きが透けて見えてくるのです。

選手が何を考えていて、身体のどの部分に力が入っていて、逆に力が抜けているか。どこの動きが滑らかで、どこの動きがギクシャクしているか。

私自身が結果を出すことを求めてプレーを見ていると、必ず見えないものが出てきます。また、余談を持って見ると、プレーが歪んで見えます。

いずれも、ありのままの姿ではありません。

メンタルトレーニングというと、理論を教えることがメインのように思う選手も指導者も多いのですが、観察と発見こそがコーチの命。

なので、透明に見えないときはなかなか辛いです。
こういうときは、何もアドバイスしない方がいいように思います。

いかにありのままが見える透明な目を持てるか。

これってまさに坐禅なのです。
おかげさまで禅の学びが助けてくれています。

今回の試合では、選手自身もこれまでやってきた手応えを感じてくれたようでした。少しずつ透明な心でボールに向き合えるようになってきているように感じます。

これからラスト一ヶ月、さらに私自身も選手を見る目を磨きたいと思います。