ゴルフのラウンド中に、すごくいいイメージでアドレスに入れる時と、どうしても悪いイメージが湧いてしまう時があると思います。これは、どんな一流のプレーヤーでも同じです。悪いイメージが湧くのが問題ではなく、大事なことは、湧いていたイメージをいかに打つまでに変えることが出来るかです。

ゴルフのスイングはイメージで打っています。なので、過去に失敗したイメージが残っていると、怖くて無意識に体が逃げます。バンカーが苦手な人であれば、バンカー越えのアプローチは花道からのアプローチとは全く違って、緊張感が襲ってきます。また、前のホールで1メートルのパットを外していれば、ど真ん中からカップに入るイメージはなかなか湧きにくいと思います。これは過去の記憶で打っている状態です。記憶とは思考脳が得意な分野ですが、思考ではいいイメージには変わりません。

では、苦手意識や悪いイメージをどのように変えれば良いのでしょうか。まずは、心地よくないイメージが湧いていることに気づくことです。当たり前という声も聞こえてきそうですが、プロでも自分の心の状態に気づかずにプレーしてしまうことがあります。

例えばティーショットで絶対にいきたくない場所があります。するとそのイメージにとらわれてそこに行ってしまうか、逆に体が逃げて逆の方向に行ってしまうか、いずれにしてもイメージに引きずられて普段のスイングはできなくなります。この場合、心地よくない状態に気づき、打ちたいポイントに焦点を合わせ直すのです。一度アドレスを外してやり直すのがいいと思います。ここまでは、皆さんもされているかもしれませんね。

残念ながら、これだけではなかなか最初に湧いたイメージは消えません。イメージを変えるのに有効なのは「いい感じのイメージを言葉に出すこと」です。内面でモヤモヤしていると、なかなか過去のイメージは消えません。例えば、「あの鉄塔の方向に、向こうに見える山の高さで、軽いフェードで打ちます。落としどころはフェアウェーのあのポイントです。」方向、高さ、狙い、球筋を具体的に言葉にすることで、古いイメージが新たなイメージに生まれ変わっていきます。そしてこのときに固い表情ではなく、笑いながら楽しくチャレンジする感じで言うことも大事です。

切り換えるのはなかなか難しいですし、100%うまくいかなくてOKです。10%でもイメージが良くなって心が軽くなれば、体もそれだけ動きます。10%というと、たったそれだけという顔をされる方もいますが、実はこの10%が大きいのです。ミスショットがOBになるかどうか、この差は、実は数メートルのことが多いのです。また、ダフってバンカーに入れたり、池に打ち込んだりするのも10%だけでもいいイメージを作れると、ミスはミスでも大きなミスにならない可能性が高まるのです。

ぜひ、いい感じのイメージ作りに取り組んでみてくださいね。