今週発売中の週刊ゴルフダイジェストで「武士道とゴルフ」というテーマが特集されています。私も「腹をくくる力」という記事を書かせていただいています。

「息」とは自らの心と書きます。まさに、自分の心が呼吸に現れます。そして、禅では、一つ一つの息が「人の一生」だと教えられます。

息を吐くことは一度死ぬことであり、幸運なことに再び息を吸うことで生をいただいています。人間は一つ息が止まってしまえば死んでしまうという儚い存在ですが、普段私たちは、息を吸ったり吐いたりすることを当たり前と思いがちです。

当たり前だと思っている心では、今を生ききることはできません。これは、スポーツやビジネスにおいて、後悔を残します。

ワンプレーにかける心というのは、いかに今を後悔なくやりきるか。未来の結果を考えると欲が出て、迷いが生まれます。大事なことは、目の前のプレーを最後のプレーと思って取り組めるかです。

皆さんも経験があると思いますが、まだ次があるというプレーともう後がないと覚悟を決めたプレーは、まったく違います。

野球やサッカーの日本代表は「サムライジャパン」「サムライブルー」と呼ばれていますが、オリンピックやワールドカップでは、まさに一戦が「負けられない戦い」試合を見ていても普段のリーグ戦とは、プレーへの覚悟のレベルが違います。甲子園の球児たちの一球にかける姿も同じ。

ビジネスでもスポーツでもここ一番が必ずあります。緊張して身体が動かなくなる経験をされた方も多いと思います。

腹にはくくり方があります。そして、覚悟を決めると、非常にシンプルになります。
例えば、緊張したときにこそ呼吸に戻る。一息一息をただ感じる。恐らく最初は息がしずらいかもしれません。それでいいのです。それが今のあなたの心。そして、息は実は一息ごとに深くなったり、浅くなったり、早くなったり、遅くなったりとまったく違うのです。一息ごとに変化する身体を知ると、心は落ち着いていきます。

また、脈をとってみるのも今を感じるには有効です。脈打つことをただ感じていると、身体の波動と心の波動があってきます。すると、少しずつ高ぶった心が落ち着いてきます。

ぜひ、ビジネスやスポーツでの「ここ一番」が試される機会に、参考にしていただけばと思います。