ゴルフの神様がいた。
今回の全英オープン女子ゴルフの渋野日向子選手のプレーは
そう感じさせてくれました。
笑顔、攻める心、失敗を恐れない楽天的な心などメンタルコーチとして見ていても、勝利に必要な要素はすべてありました。
しかし、それだけでは勝利には辿り着けません。
メジャー大会はなおさらです。
試合の中で、彼女が持っている潜在的な力が引き出されていました。
1プレーごとに、新たな自分の扉が開かれる。
未知の自分に出会っているとき、人は無心になれます。
ゴルフの神様が微笑むとき、ゴルフは簡単になります。
イメージ通りに打てる。
打てば寄る。
打てば入る。
そういう流れが生まれると、プレーはシンプルになります。
これは、努力とか技術、メンタルとかという自力を超えた世界です。
あのとき、渋野選手は、ゴルフの神様とプレーをしていたように感じるのです。
渋野選手は、ゴルフの神様から大きなギフトを与えられました。
しかし同時に、このギフトは試練の始まりと言えます。
今回の勝利に関して、いろいろな解説者が渋野選手に関してコメントを寄せていますが、私は岡本綾子さんのコメントが心に残りました。
岡本さんは新聞のコラムの中で、「これから1ストロークの重さを感じるようになる。先は長いぜ」といってあげたいと述べていました。
「先は長いぜ」
最高のエールですね。さすが世界の綾子さん。言葉の重みが違います。
これからの競技人生の中で、笑えない日もあると思います。
でも、それでいい。
どこまでも自然体でいってほしい。
笑えないことを経験する中で、渋野選手の笑顔は磨かれていく。
まったくステージは違いますが、自然体の大事さを教えてもらったように思っています。
週刊ゴルフダイジェスト第33号、メンタルトレーニングのコラム「禅の境地へ」第124回のテーマは「ゴルフの神様」です。
ご興味のある方はぜひご覧ください。