苦手な状況、苦手な相手と対戦するときどうするか。

周りに心を持っていかれるほど、自分のプレーからは遠ざかっていきます。

そこで、大事になるのが、マネジメントです。

マネジメントというとゲームの攻略、相手やチームをどう動かすかなどをイメージされる方も多いと思います。

ただ、もっとも基本となるのは「自分の心のマネジメント」です。

メンタルトレーニングにおいて、マネジメントは大切なスキルです。

自分の心が乱れているのに、対戦相手やゲームをマネジメントしようとしても、上手くはいきません。

ただ、自分の心をマネジメントしようとアスリートに伝えても、漠然としていてイメージが湧きづらいようです。

勝負や競争では、相手が自分より上か下かとジャッジします。

実力が上だと思えば、今回こそは勝ちたいという力みが発生します。

一方で、実力が下だと思えば、勝って当然という油断が生まれます。

これは、相対的な感覚で勝負している状態。

勝負においては、自分の中の絶対的な感覚に心を戻せるか。

私が選手に伝えるのは、「自分と対等な戦い方」をすること。

どんな状況でも、まずは自分が出来ることに注力する。

ゴルフでいえば、プロアマ問わず、得意なホール、苦手なホールがあります。

苦手なホールでいえば、つい実力以上に勝負しがちです。
そういうときに、決して無理をせず、自分と対等な戦い方を考える。

自分と勝負をイーブンにするのが、メンタルスキルです。

プロをみていても、つい苦しい狙い方をしがちです。
そういうときは、イチかバチかの無謀な勝負に挑んだり、本来の自分らしいプレーを忘れています。

本来アプローチが強みなのに、無理にドライバーを飛ばそうとしたりします。ドライバーが上手くいったとしても、そのあとのプレーのバランスが崩れてしまうのです。

勝負に入りすぎています。これは偏った狭い集中です。

心が平らかでないと、身体はスムースに動きません。
逆に、平らかな心を持てれば、身体も平らかに動いてくれます。

週刊ゴルフダイジェスト第40号、メンタルトレーニングのコラム「禅の境地へ」第131回のテーマは「自分と対等な勝負をしよう」です。