選手達は最高のプレーをしようとします。
ゴルフでいえば、最高のショット、最高のアプローチ、最高のパッティング。
野球でいえば、最高のバッティング、最高の投球。
もちろん、最高を目指すから楽しい。
しかし、最高のプレーを目指して、その結果はどうなったでしょうか。
最高を目指して、最低のプレーだったということもあるのではないでしょうか。
エネルギーは大きい方がよい。
多くのアスリートが思われていると思います。
早く走る、遠くに飛ばす、鋭く振るには、大きなエネルギーが必要だと考えがちです。
もちろん、大きなエネルギーが効果的な場面もあります。しかし、一方で大きなエネルギーを出そうとすると、逆に力を発揮するのを妨げることがあるのです。
エネルギーとは熱量。
熱量が増すほど、実はプレーは難しくなります。熱量が大きいほど心も身体も暴れるからです。
心が暴れるとムキになったり、複雑に考えすぎたりします。
身体が暴れると、余分な力が入ります。
メンタルトレーニングにおいては、最低限の心でプレーすることをやっていきます。
最低限とは余分な欲や過剰なエゴを手放すということ。
エネルギーを増やすのではなく、最小限に絞るという考え方は、最初違和感を覚えるようです。
最低限とはエネルギーが小さいから、いいパフォーマンスが出ないというのは小さい頃から思い込んでいるからです。
しかし、トレーニングを続けていく中で、最小限を心がけるとプレーが安定することが分かってきます。
エネルギーが小さいということは、心はシンプルになっていきます。
エネルギーが小さいということは、動きがコンパクトになり正確性があがります。(ゴルフや野球でいえば芯に当たりやすくなります)
結果的に、最低限のプレーを心がけることで、最高のプレーが生まれるのです。
スポーツにおいて、「当然このはずだ」と思い込んでいることがたくさんあります。
当然と思っていることほど、疑ってみる。その逆をやってみる。
逆を知ることで、心のスケールは大きくなっていきます。それがプレーの幅になっていきます。
週刊ゴルフダイジェストに連載中のメンタルトレーニングのコラム「禅の境地へ」第149回のテーマは、「最低限のプレー」です。
興味のある方は、ぜひご覧ください。