赤野コーチがメンタルトレーニングのコラム「禅の境地へ 滴り積もりて」を連載中の週刊ゴルフダイジェストが発売されました。

今週号のテーマは「同伴者の視点」です。

これまでの連載では、プレーヤーとしてベストパフォーマンスを出すための心の持ち方ついてお伝えしてきました。ゴルフには実はもう一つの視点が必要です。それは同伴者の精神です。

ちなみにみなさんは同伴者として、相手からどのように思われているでしょうか?

自分がどんなプレーをしたいかは考えていても、自分がどんな同伴者でありたいかについてはあまり重要視していないかもしれませんね。

しかし、気持ちよくプレー出来る人となぜかいつも気分が悪くなる人がいませんか?それによってスコアにも影響が出ていませんか。

例えば、気持ちよくプレー出来る同伴者は、ボールを見失ったときにはいっしょに探してくれたりと適度に気を遣ってくれたり、お互いにスムースにプレーできるようリズムがよかったり、何よりもお互いのプレーを邪魔しない人です。

一方で気分が悪くなる同伴者は、やたら時間がかかったり、人におせっかいなアドバイスをしたり、またいい時と悪い時に気分にムラがあったりと、自分のプレーに集中させてくれない人です。

また自分自身も実は相手へ気遣いを意識することで、広い視野で物事を見られるようになり、心が安定してくるのです。

また、相手の失敗を願う人がいます。残念ながら、相手の失敗を願うというメンタリティでは、ベストなプレーをすることはできません。それはすでに相手のプレーに自分の心を持っていかれているのです。そういう時は、自分のスコアも落ちてはいませんか。

ちなみに合気道では、技をしかける人は相手の気持ちや力を感じることをとても大事にしています。力任せに投げようとすると独りよがりになります。すると、技をかけられた人に不快感が残るそうです。合気道は2人の技であり、1人だけが頑張っても動きがぎこちなくなるのです。そこが武道の奥深さなのだと思います。有段者ともなると、投げられた人も気持ち良い投げ方ができるのです。まさに2人の力がうまく合わさった時に最大限の力が発揮される。ただ自分の好きなように投げている人は、それ以上の上達はないそうです。

相手の邪魔をしないことももちろんですが、旗を率先して持つ。ボールを一緒に探してあげる。相手を応援する。

こうした行為が出来るということは心に余裕があるということです。その余裕がいいプレーを生むのです。みなさんも同伴者としての視点から自分のゴルフを見つめると、新たなプレースタイルが見えてくるかもしれませんよ。