アメリカに行きはじめて何年かなと手帳を見てみると、始まりが2013年でした。いつの間にか7年近くが経っていたのですね。
空港でフライトを待っている今の心境は、「期待もない。苦しみもない。」という感じでしょうか。
最初は期待からはじまりました。いろいろな出会いもあり、最初の2~3年は結構いい感じのスタートだったと思います。
それが、さまざまな挫折を経験する中で、苦しみに変わりました。5年ほど苦しみを味わう中で、少しずつ苦しみも変化していきました。
そして今回は、期待も苦しみもない。
透明な感じかもしれません。
外にあった苦しみが自分の中に溶け込んでいるような。
ちなみに今心配なのは、忘れ物がないかということでしょうか(笑)
そんなことを考えながらコーヒーを飲んでいたら、禅の老師の言葉が浮かんできました。
「ただ10年坐りなさい」
老師がお寺の修行に入られたとき、師匠から言われたそうです。
そういえば、尊敬する大先輩も「10年やり続ければ、プロになれるよ。」と言われていたっけ。
石の上にも3年という言葉は好きですが、10年とはなかなか長い。
最近まで、意味のあることと意味のないことを分けて考えてきました。
意味のないことは極力排除し、意味のあることに注力してきました。
人の出会い、仕事の内容、時間の使い方…
しかし、意味のあることを求めるほど、どこか豊かさがなくなっていくのです。
アメリカではなぜか意味のないことばかりに出会います。
いつしかアメリカへの挑戦は、私にとっての修行になりました。
目指すものもないし、目指せるものもない。
ただ、ときの流れに翻弄されながら、自分に向き合う。
それでいいんじゃないか。
意味があろうが、なかろうがいいじゃないか。
何かに導かれて、ここまで生き続けられました。
意味があることを求めていたら、ここまで続けられなかったかもしれません。
許されるものなら10年行きつづけたい。
あと3年。
なんとか修行できますように。